論理と感性は相反しない


今週の初めから少しずつ、山崎ナオコーラ「論理と感性は相反しない」を読んでいる。これがとても面白くて、なにしろ冒頭の作品の最初の1ページを読んだ時点で、あ、これは傑作。と思えて、これから読み進めていくときの至福の楽しさがすでに確定という感じに思えたほどだった。現時点であと三分の一くらい残しているが、読み終わるのが惜しい。今のところ「論理と感性は相反しない」「プライベート」「芥川」の3作がすごく良い。読んでいて、あるひとつらなりの文章や短い会話のやりとり一つ一つが一々細かく良いかたちをもっていて、それらを慈しむように読んでいると、自分が小説が作り出す空間を心ゆくまで味わえている感じがする。