旅愁


昨日(12/4)は久々に上野をウロウロと歩いて、すごく懐かしくて楽しかった。根津で降りてスカイザバスハウスの宮島達男を見て、そのまま上野公園を抜けて上野駅の公園口まで来て、ペデストリアンデッキから上野駅舎とか丸井とか東上野方面のビルとかを見ただけで、とても懐かしかった。そのままアメ横で少し買い物した。正直こんなマトモにアメ横で買い物したのってはじめてかも。


結局、すべて自分の意志じゃなくて、単に運ばれているだけなのだ。だから懐かしいのだ。旅行したいといつも思ってるけど、結局今まで、ずーっと旅行しているようなものだ。旅行というのは、目的地を決めてそこに行く、ということではなくて、とりあえず目的地は決めるけど、あとは全部自分の意志とは別の、何かよくわからない大きな力にのっかって移動しているだけで、旅行というのはそれを一方的に受け入れ続けるだけで、それこそが旅行なのだし、それこそが面白いから旅行に行きたいのだ。だとすれば、会社員で働いてからはもう、僕はずーっと旅行しっぱなしなのだ。僕はたぶん自分の意志で自分を動かしていない。僕はたぶん、自分の意志で自分を動かすことに、あまり興味がないのかもしれない。僕は、旅行者に過ぎないんだ。だからこれほどまでに、去年までの場所が、いやすべてが懐かしいのだ。自分の意志でなく来た場所で、自分の意志でなく去っていった場所。それこそが懐かしさなのだ。その懐かしさがほしくて、自分をどこへででも連れて行ってしまいたいだけなのかもしれない。