休み


何日か前に、本を読んでとても面白かったという事を書いたが、あれは楢山節考のことである。別に、隠していたわけじゃないのだが、深沢七郎でした。もちろんこのあまりにも有名な作品について、今まで何も知らなかったわけではないし、お話としては知っていたが、でも読んでみたら、楢山節考は相当、ショックで、頁を繰るたびに殴られたような衝撃があってじつに参った。読んでから数日たった今でもまだ、あれやこれやと、いろいろ思い出してしまって、そのたびにぼぉっとしてしまう。新潮文庫の、その他の短編三つも、それぞれあまりにもものすごい。すごい。あと、その前に読んでいたのは柴崎友香の虹色と幸運である。これも相当面白くて、今でもたまに、かおりちゃんや夏美ちゃんや珠子のことについてや、それ以外の周囲の人々について、よく妻と話しているときしょっちゅう話題に上ってくる。


妻は今日から夏休みだそうだ。今日の朝はいったいなぜそんなにのんびりしてるのかと思ったら、今日私休みだよとのこと。僕はいつもどおり出かける。暑い朝。電車の中では本を開いたままずーっと考え事をしてしまった。仕事のことやその他いろいろ。一時間以上ぼんやりとしたまま、1ページも読み進まなかった。