師走レコード2011


休日出勤。早起きして会社へ向かう。業者が入るのに立ち会うだけなのでとくにすることもなくぼーっとする。窓の外を見ると素晴らしい陽気。午後過ぎて、三時半くらいに終了。御茶ノ水まで歩く。ユニオンすごく混んでいる。じっくりと棚を見たけどとくに買いたいものがない。何となく気まぐれにスミスのLPでも買おうかと思ったりしたが結構高いのでやめた。スミスのジャケットって、じつに攻撃的というか、あからさまにメッセージ性そのものという感じ。意味内容以前の、無茶苦茶怒っていて、呆れていて、絶望していて、くだらないギャグを吐き捨てたいような、そういう熱いものが裏側にぎっしりと詰まってるような古ぼけたスナップ写真やブロマイド写真。あと、よく考えたら僕はジョンの魂を持ってないのだ。I found outがふいに頭の中に鳴り響く事はよくある。ジョンの魂は、高校のときカセットテープに録ったやつでさんざん聴いてたけど、それ以来聴いてない。久々に聴くかなあと思ったが、これもなんとなく買わなかった。(I found outを今youtubeで久々に聴いてる。今更だがこれはマジで素晴らしいな。)アビイ・ロードのジャケットで先頭を歩いているジョンレノン。長髪に真っ白なスーツ。靴も白い。アビイ・ロードのジャケットはどことなくヒプノシス的な感じがする。LPレコードの12インチというサイズをもつ正方形。あの印刷物の独特な不思議さ。手触りと匂い。店でミュージックマガジンを買った。2011年ベストアルバムの特集。ぱらぱらと見てたら、また数枚ほしいものが出てきた。とりあえずR.Kellyの新作は買う。Raphael Saadiqは以前に聴いてたけど過激なくらい録音の感じとかまで作りこんでいて、古臭い系ソウルの仕上げも最近はすごく手が込んでいる。あとJim O'RourkeのUnreleased?というのも聴かないわけにはいかない気がする。James Blakeはどこでも大変評価が高く今年を代表するアーティストの一人だと思われるが、はじめて試聴したときたしかにこれはすごい!と思って買ったけど、結局、個人的にはいまいち良さがわからず、ニ度三度以上、繰り返し聴くことにならなかった。しかし僕は毎年そうだが、それにしても今年はいつも以上に古いものばかり聴いた気がする。まあ、ByrdsとBeach boysの超弩級マイブームが起きて、それでほぼ一年が終わったような感じだろう。ウエストコーストロックは汲めども尽きぬ泉だという事をあらためて実感した。あと、まだわかってないことだけど、あの時代の映像の雰囲気、中期後期のビーチボーイズの70年代あたりの雰囲気の絶望的なまでのけだるさ、肥満と煙草の煙と不衛生さとありあまる金と食い物の、ものすごく終わってる感じを空想していて、実在する色々な映像とかからそういうのを確認していければ最高だ。で、あと、最近の驚くべきニュースとしてはEchospaceレーベルからの怒涛のリリースラッシュで、今日下北沢ユニオンでアナウンスされた3枚にも驚いた。先月と今月で合計6枚?それまで禁断症状みたいに既聴のものばかりだとわかっている棚を何度も何度も探していたのがばかみたいだ。新リリースはどれも完全な未発表音源のみという訳ではないが、未発表も多く含むので、結局どれも買わない訳にはいかない。本当にいいカモになってる。しかも最近のEchospaceは今まで以上にヴァイナルのカラーリングやジャケの統一性などパッケージが美しくて、買うだけで満足してしまうような悪しき中毒性を誘発する。極めて危険で、注意が必要である。じっさい、どれを聴いても、まあ大体おんなじなのである、10分でも20分でも、場合によってはCD一枚80分弱、ノンストップでひたすら四つ打ちで、ざーーっとヴィンテージアナログシンセのノイズが煙みたいに漂ってるだけのこと。それはわかっているのだ。でもほんのちょっと違う。それが問題なのだ。Echospaceだけは聴き始めてから2年半くらい経つけど、未だに自分の中だけで熱い。正直理解できない、我ながら謎である。