ゴヤ


 予想よりもかなり混んでいて、わりと駆け足で見て退場した。空いてたら、もっとじっくりと見たかった。まさに素描や版画を観る為の展覧会。基本ムチャクチャ上手い。そして早い。タッチが早いのではなくて、かたちが早い。これがまさに、マネの先駆けという感じ。幻想的だったりグロ趣味っぽかったり戦争や事故映像の報道っぽかったり、今なら驚きもしないが、しかし当時の画家が、あれもこれもと描き続けるなかで、自作のいったい何を見て、作品の連続性、ひいては自分のしごとの根拠というものを確認するのか、いったい自分がどういう作品を残そうとしている画家だと思っていたのか、いや、それを今取り扱えるイメージの枠に落とし込むのは無駄だが、そもそも「当時はこういうイメージだった」と捉えることの不可能さが前提だが、しかしそれにしても、わけのわからなさというものそれ自体を想像するのは難しい。

 常設の松方コレクションも久々に観た。こちらは混雑もないのでかなりじっくりと時間をかけて観た。モネはそれこそ、ほんとうにわけがわからなくて面白い画家だとあらためて思う。あとウィリアム・ブレイクの版画特集をやっていたので、一まできちんと観たことがないのでこの機会でかなりじっくりと観た。見ただけで、感想はないが、ただじっくり見ただけだが、面白かった。