この前NHK特集でやっていた、イヌイットのアザラシ漁のシーンを思い出す。アザラシの皮をぱーっと剥いで、腹をさーっと裂いて、ふわーっとかすかな湯気が立って、濃い赤にまみれた臓物が溢れ出してくる。一部の部位をそのまま手でつまんで食べている。どんなものだろうか。あたたかさ以外に、何か味わいがあるのだろうか。あたたかさがそのまま味わいと一緒だろうか。自分の体の内側の味と、かわらない味わいのものを口にしているのだろうか。自分の内側の味って…?