朝の、各路線混乱で運転見合わせが複合した結果の酷く混雑した電車も、いつもの如く品川を過ぎたあたりで必ず落ち着いて、やがて、がらがらの車両に明るい日差しが降り注いで田舎のローカル線みたいな感じになって、あとは目的地までぼんやりとしながら、毎朝、全部で丸一時間そこにいるのだけれど、一時間で読める本の分量の少なさは大体わかっていて、一日一時間本を読んでいても、そんなのはまるで読まないのとじつは大して変わり無いといえばそのとおりだが、でも一行か二行だけ、は。これ、なんだよ、ばかか、とか思うような、変な引っ掛かりのあるときや、他人事のように見返したりするときをくりかえすうちに、それはそれで、結局良いときと悪いときがあって、分量的な不満足感をさておけば、良い時は良くて、なかなか豊穣な旅になる日もあるにはある。今日は良かったほうかも。