出かけようとしたら雨があがったので、それなら自転車で行くかと思ったが、歩いていく時間を想定して早めに玄関を出てしまったので、これで自転車で行くと早く着きすぎてしまうので、やはり歩いて行くことにする。出かける前に雨が止んだことに気付けばよかったのだけど、かりにそのときに気付いたとしても、それで出かける直前の十分か十五分くらい家の中で待ってから、自転車に乗って出かけるというのもバカバカしい。目的地に行くために出かけるのであって、自転車に乗るために出かけるのではない。歩くのが嫌というわけではないし、雨が止んだら絶対に自転車に乗るべきというわけでもないし、歩いても自転車でも、別にどっちでもいいのだ。そもそもが、こんな風にいちいち書くようなことだろうか。


店に着いたら、はい。今日はすごいヒマです。と言われた。店内にスタッフ以外誰もいない。こんなのはじめてみた。だらだらと、どうでもいい話をしながら髪を切ってもらって、終わる頃に、なんだかやっぱり今日はおかしい!さっきから全然電話も鳴らないし、あー坂中さんが帰ったら店の中がまた誰もいなくなっちゃうんですけど、と言うので、いいじゃんいいじゃんたまにはそういうのは、と応える。


会計のとき、外を見たら、傘を挿してる人がいたので、あ!また降ってきたかも、と言ったら、違いますよ、あれ、日傘ですよ。とのこと。


まだ降ってないので、ウチに帰ってから、自転車に乗ってスーパーに行く。ウチの近くには、歩いてすぐのところにあるA店と、歩いて10分くらいのところにあるB店と、歩くとたぶん20分以上かかるから自転車で行きたいC店がある。C店は休日に自転車で行くことが多いのだが、その理由は併設されている酒屋の品揃えが良いからである。


で、C店をうろうろしてたら、鮮魚売り場にブリがあったので、突然ブリ大根が食べたくなって、ブリと大根と生姜を買ったが、柚子が売ってない。仕方がないからC店を出て、そのままA店に行ったら、ここにも柚子はない。そこまで来て、ようやく薄っすらと、季節外れなことをしようとしているのだなという自覚がめばえる。仕方がなく一旦家に帰って、…さっき、髪を切ってから一旦家に戻っているので、都合二回家に戻ったことになる…荷物を置いてから再度自転車に乗って、今度はB店へ向かった。そしたら、柚子があった。パック包装されていて、でも色が緑色で、これ柚子?見た目は完全にすだちとかかぼすにしか見えないが・・・と思ったが、柚子と書いてあるので柚子なのだろう。それを買って、ついでにハートランド中瓶と惣菜の茹でた枝豆を買った。もうお気づきだろうが、B店で買い物したその三点は、すべて色が緑色なのだ。


家に帰ってから、緑色の柚子の香りを確かめたが、たしかに柚子だ。それで柚子の皮を細かく刻んだものをブリ大根に添えると香りが大変良いけど、でもあの黄色い色が散っているから美味しいように感じるので、この緑色を散らしても、まるでコネギとか三つ葉がかかってるみたいで、どうも見た目が変だが、果たしてお味はたしかに柚子の風味も加わったブリ大根の出来上がりです。なので、これは季節外れなことをした以上、どこかに無理の皺寄せがきても文句は云えないということだ。