未明の闘争


読了。終わった!さあ、これで自由なのだが、では次に何を?と言えば、「未明の闘争」をまだ読みたいというか、その状態に心身がすでに出来上がっているので、今ならまだ、追加であれば、かなり受け入れられるのだが、作品自体が、たった今終わってしまったので、それならそれに近いもので何かもっと、続きを捜し求めたいような気分も、火種がしつこく消えないようにして続いているが、そういう続きというのはないので、小説はこれでおしまいです。あとはもう忘れていくしかない。


とりあえず、全体でどこが一番良かったか?を確認するためにでも、もう一度ざっと読み返そうかしらとも思うが、それにしても村中鳴海が最後どうなったのかなんて、べつに気になるだろうか?涙が止まらなくて、それで終りだ。オールマン・ブラザーズ・バンドの箇所も、トレンチタウンの下りの部分も好きだ。むしろあの章で終り、というのでも有りだろうが、そのあとさらに続くところが、もわっとした過去に反芻していく欲望的な記憶の、その感傷だけで終わらせず、村中鳴海が、なんであれだけイラつくのかお前は、という余韻だけで終わらせないところが手ごわいというか、まだ長くてうんざりもしつつ、でもついに終盤、ペテロのように、コンちゃんがついに我々の近くまで来る。マーちゃん、コンちゃん、お母さん、美人ちゃんが。


最後の最後まで来て、ああ、こういう終りだったっけ、と思って、雑誌の連載時の方も読み返してみたら、やはり同じだった。何かもっと違う印象で記憶していた。しかし、さすがにこれだけ長いから、最後に出てくる「友達」というのも、ほとんど納得するしかないような、こんな登場人物あるか、というような感じで存在している。…まあ、なにしろ読み終わってよかった、ほっとしている。