お経


保坂和志の「川端康成文学賞 受賞『こことよそ』」 受賞挨拶の映像をみた。


https://youtu.be/4Kx5Wz5rPDg


そのあと、下記の文章を久々に読んだ。久々に読んで、以前と同じように深い衝撃を受けた。この文章は、ほんとうにものすごい。とくにコンちゃんのところが…。


http://www.k-hosaka.com/nonbook/hibi.html


「ここが、この路上と玄関前の車のない車寄せがコンちゃんのスイートホームだ。(中略)ここでさえもスイートホームであることに気がついたということはコンちゃんの内面のごく一部が私と共振したことに、私は胸が熱くなる。私はいままで少しでも注意して見てきた路上にいた猫たちのそこがスイートホームだとは考えなかったその猫たちを思い出す。これがあいつらと戦う拠点の一つになった。」


「路上と玄関前の車のない車寄せ」のスイートホームに気付く…。しかしこの文章はほとんど感想とかを拒否している。この文章の感想を書いたら、直ちにこの文章そのものに攻撃されるだろう。「あいつら」とは「統治しようとする自分」なのだから。自分はなぜこれほどまでに「統治」を求めるか。


「お前なんかに読まれるのは反吐が出る」と、この文章は言ってる。


「芸術と知」を愛する人だとか「叡智を求める」人だとか、それへの憧れ、矜持、誇り、執着、努力と行為…かつても在ったしこれからもいつの世にも必ずそういう人がいる、しかしもはやそういうことではなくて、そういう視点ではなくて、もっと徹底的に自分を信じてとことん死ぬ気でいかないと…。