薄暗い曇空の日で、こういう日がちょうど良くて最近は好きだ。Tシャツの上に薄手のカーディガンを引っ掛けて出掛ける。暑くもなく寒くもない。そして薄暗いし、路面がじめっと半分濡れている。公園の土も雑草たちも重たく水を含んで黒い。歩く分には、それくらいでちょうど良い。濡れた床に直接腰を下ろすとか、地べたに寝そべるのだったら嫌だけど、そうじゃないなら、これくらいでいい。買い物して帰宅。六時半ですでに暗闇に近い。今日はまだ満月ではないと言って空を見ると、聞いていたのかと思うようなタイミングで急に雲間から曇りガラスの向こう側の室内灯みたいなぼやっとした月があらわれる。ネコがやる気なさそうに寝転んで遠くを見ていて、近寄っても逃げず、身体を横たえてこちらに無防備な横腹を見せていて、触られてもあまり嫌がらないが、目を薄く開けたまま、視線の先はさほど変わらない。