折り畳み椅子


最近お店でふと折り畳み椅子を見かけると、ついしげしげと見てしまう。かなり小さく折り畳めて筒状になったのを肩にかけて持ち運べるようなやつで、開くと肘掛まであるようなちゃんとしたディレクターズチェアみたいな形の折り畳み椅子。こういうのを一個ほしいなと思ってる。それをもし買ったら、散歩のときそれを肩にかけて歩いて、気が向いたらその場に立ち止まり、おもむろに椅子を広げて、その場に座る。場によってはいきなりそこに座ると危ないので、一応座れそうな場所に座るだろうが、とにかくそうやって座ると、たぶん座ったとたんに、自分が今なんでそこに座ってるか意味がわからないように思われ、その感じを想像しての緊張と不安が楽しい。目の前の景色がぜんぜん何でもないのに、座ってしまったからにはしばらくそれをジッと見ていなければいけないというのもかなり困惑の楽しさだ。あといきなりそういうところに座っているので、とくに背後への警戒心がかなり強まる。後ろからいきなりこられたらまったく抵抗できない。そういうことも含めて、その場にいきなり椅子を広げて座るのはあまりにも唐突過ぎてかなりチャレンジングであり、やってみる価値はある。