半生


1999年に入隊、2003年までは訓練とか演習、優秀だったので昇進、2004年から実戦配備で任地へ、2009年帰還、その五年間で自分は性格も考え方もすっかり変わった。それはそれで良かったとか思うしかない。人生というのは、そう結論付けるしかない部分もある。戦争はひどい、しかしそうでもない側面もあるのを知る。本当に辛かったのは、最初の二年くらい。あとはそうでもない。むしろ楽もできた。人生というのは、その大半を寝て過ごすのも思ったより悪くないものだと知る。2010年から内地勤務、現在に至る。かわりばえのしない日々だがとくに不満はない。むしろこのままを維持することこそ仕事、情勢を読んでなるべく良い条件を探して、そこを仮の居場所にする、人生というのは、要するにそのくりかえし。乾いた場所を避けて、目に見えない程ゆっくりとしたスピードで動き続けるカタツムリみたいなもの