プロとコスプレ


この世の、保守・運用のプロという種族。無事故で安全第一、みたいなスローガンを本気で遂行するような人達。自分もある意味そんな現場の末席にいるのだが、はっきり自覚しているつもりだが元々自分はそういうことに向いているタイプではなく、いわばコスプレ的な仕事人として日々を生きているのだが、しかし世の中ではたらいている人は全体の半数が本気で半数はコスプレ気分なのじゃないかとひそかに疑ってもいるのだが、半々じゃなくて7;3か8:2でコスプレが多いのかもしれないがそれはともかく、本気な方の人達の本気さというのはまさに驚くべきものがあって、とくに保守・運用業界においては理想が無事故で無トラブルなのだから、昨日が無事故なら今日も昨日と同じであれば良いし、明日もあさってもずっとそのままであればそれが一番の理想であるという論理になるから、別にプラスを積み重ねる必要はなくて、ただしマイナスにするのは厳禁。とにかくただひたすらゼロ。ゼロをひたすら重ねるのが良い、そのことに心血を注ぐということになる。となると心血の注ぎ方が、だから熱血的なものではなくて冷血的、というよりもいわば植物や深海魚の営み的な何かに近くなる。意思とか思慮ではないもの、それよりはどちらかというと自らの生存条件に与する行為、あるいはもっととりとめのない、見えないものを見ようとするような、手かざしで透明なものに触れようとするかのような、そんなこと、本気でやりますかみたいな、それは本能的な、遺伝子にインプットされたレベルで動いてますかみたいな感を呈する。その次元にくると、現場においてコスプレは完全にバケの皮が剥がれている。こういうときのコスプレはどうしても見苦しい。でも戦争になったら皆一緒くたになって泥まみれになる。だからどっちもどっちである。というか与えられた現場において見苦しいコスプレこそコスプレの真骨頂でありそここそが故郷だとも云える。