再会


朝、また白サギがいた。久しぶり、二ヶ月ぶりくらいか。相変わらず、小柄だが、とぶように白い。おまえ、まだここに居るのか、もうこのまま、この地へ住み着くつもりなのか。楽しくやっていけそうなのか。おまえの身体は、この後、もう少し大きくなるのだろうか。おまえの生涯は、これから始まろうとするのか、これから終わりに向かうのか、どっちだ。、


死んだ直後、故人は未だ迷いの中にいるのです、それを遺族のみなさんの祈りで、送り出してあげるのです、送り出された故人は三途の川をわたって極楽へ行くのです、それはそれとして、そもそも死者はかつての死者と、あの世で再会できるものだろうか。それが出来ると出来ないでは大違いだが、実際はどうなっているのか。父は戦災孤児だったので、まず何よりも自分の父親と母親に会いたいはずだが、会えるのだろうか。もう会えたのだろうか。そもそも、七十余年前にビルマで戦死した祖父と長崎で客死した祖母、死後二人は出会えたのだろうか。しかし、仮に出会えていなくても、死後の世界であれば、死がないのだから、すなわち別離もないのだろうか。それぞれが同じ場所と時間を共有しているわけではなくても、個々のまま、お互い、たしかに存在しているという、出会えてはいなくても、もう出会えないということが絶対に無い世界、うしなう可能性がゼロの、その確かさに支えられた世界なのだろうか。その確かさこそが、光とか、明るさのようなものとして表現された世界なのだろうか、なにしろ、よろこばしい思いでいてくれることを祈っておりますが。