若者

たまに行く飲食店の店主が書いてるSNSとかブログを読んでいると、じつに多くの若いバイトの人たちが短期で離職(というかバックレ)しているのだというのがよくわかる(募集記事とか書き手の嘆きとかで)。これは雇う方と雇われる方で、どちらも言い分があるのだろう。雇う側は「最近の若い者は…」「軽くて甘い考えで来るだけで…」「継続した努力をせずにすぐ見切りをつけてしまって…」雇われる側は「条件に納得できない…」「自分の望む方向じゃない…」「現場の雰囲気悪すぎ…」「こんな給与では…」等々。実際、飲食店業界にとって人手不足が死活問題というのは他人事じゃないレベルでよくわかる。僕のいる業界も含めてこの世の殆どが、よく似た構造ではある。

雇われる側と雇う側、大抵の場合は若い側と年取った側だが、そんな関係の仕事での出会いというのは、とくに若い頃は相手に対して、一旦「こいつのことは、もういい」と思ったらその時点で相手に対して何の思いも価値も感じないもので、とっととずらかりたいというのが本音だろうと、それはわかる気はする。それはたしかに双方ともそうなのだが、若くない方は経験年数長い分だけ「お前のことは、もういいんだけど、別にとっとと消えなくてもいいし、どっちでもいい」くらいの気分でいることも多い。

やめちゃうのは仕方がない。やっぱり、自分で何かできるようになって、それがそれなりに然るべき場所へおさまったという手応えを感じるまでは、色々と探し続けたいということなのだろう。もちろんそうじゃない理由もあるだろうし、人それぞれだろうが、いずれにせよ、できるだけ円満にというか、もし別れであっても、その後もふつうに関係を維持するのは大切だろうとは思う。何にせよそこだけは大切にすべきだなと。そのためには、面倒でも自分なりに伝われと願って、一生懸命、話はした方がいいと。紐を断ち切るみたいに別れてそれっきりにしてしまうのは、若い頃ならそれがあたりまえでも、年取るとそうでもないというか、結局この世で生きていると、手元に残るものごとの価値としての少なくない部分というのは、これまでの人とのつながりだったりするのだから、だ。

と、如何にもありきたりで凡庸なことを書いているが、ここ数日ベタに仕事モードの頭のままなので仕方がない。(ちなみに僕もそういうことが若い頃はいっさいわからない、わかろうともしない人間だったので、だからその頃のツケ払いが祟ってあまり幸福じゃない人生かもですけど、それは自業自得です。)