期末

期末ともなるとさすがに気忙しく、ばたばたしているうちに一日が終わってしまう。お昼は用事があって久しぶりにビルの外に出たら大変な春の陽気で、しかも春休み期間中なので隣接する商業ビル施設はどこも客でいっぱいで、ふだん朝から晩までオフィス内に居る身には、一歩外に出ただけでなんだか別の世界が開けたかのように感じられる。すぐ後ろを歩いているNさんが、自分も休みの日はしょっちゅう子供と来ますからね、土日だと大体いつもこれくらい混雑しますよと言うので、そうかそういえばあなたにもお子さんが…。四歳?へえ、そうなんだね、ふだんは全然、そんな人だなんて、父親でもあるだなんて思いもしないけどなあ、人それぞれ、まったく別の世界なんだなあと思う。白昼夢のように明るい日差しの下。