湯豆腐

今日の夜も寒い。真冬ほどとまでは言わないが、真冬を思い出させるくらいには寒い。五月も半ばを過ぎたというのに、こんな日もあるのがふつうのことだったか。夜は湯豆腐がでた。しかし寒暖問わず、湯豆腐はいつでも美味しい。

今泉力哉「サッドティー」の録画を再度観た。それぞれの登場人物が、恋愛と呼ばれもするような、さまざまな症状をもつ病気に罹っていて、しかしカフェの子と、二人の女と付き合ってる男だけは、その病気に罹ってなくて、彼と彼女は個別に、何かへの依存が無いことの寄る辺なさをぼんやりと抱えている。病気であることとそうではないことのどちらが楽しいことなのかを、ありえないほど図式的かつ検証的に示すことが、この作品では目論まれていて、それは最後にきちんと検証されて、だから面白いか?と言われると、面白いとも言えるしそうでもないかもしれないのだが、最終的には画面に映ってる各俳優たちの、その在りようだけが観た者の手元に残るという感じもある。そのあっけないくらいの小ささが、かえって面白いとも感じる。