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まだ読み始めたばかりだが、白井聡『武器としての「資本論」』がとても面白い。マルクス資本論」は、当然のこととして僕は、読んだことはないのだが、しかし本書に引用された冒頭の数行をあらためて読んでみると、これはたしかに、人を惹きつけずにはおかない強い魅力があるのだろうなあ…というのは感じられる。ある物が、商品であり、交換価値であり、使用価値であり、人間の労働であり、生産物である。そういった諸要素だけの連動、プログラムのようでもあり、連鎖式のようでもあり、ヴィトゲンシュタインのように、極度に研ぎずまされた抽象的結晶、その特異で妖しい魅力という感じだ。