気をつけろ

今日も降ってる。部屋が暗いので照明をつける。終日読書、まさに雨読の休日。「スイングしなけりゃ意味がない」読了。戦争というのは、やってる途中もおそろしいものだが、それが終わるときも、同じくらいおそろしいものだと、これまでその手の書物を色々と読むたびに思うことを、今回も思った。いや本作におけるドイツ降伏は、おおむね解放の明るさと希望に満ちたラストの情景ではあるのだが、でも小説と違って(いや本作にもその危険は常に漂っているのだが、主人公が少年漫画の主人公並みに快活かつ行動的なので…)、実際はおそらく、先の見えぬ手探りの、偶然や運に左右される、白と黒のどちらが出るかの賭けみたいなもので、最後の難関の試験に受かるか否か、受からなければ死ぬ、みたいな、そういう瞬間であろうという気がしてならない。それでも、戦争で死ぬこと、戦争終結の混乱で死ぬこと、どんな因果であろうがどんな無意味であろうが、死は死だけれども。そこに質の違いは無いのだろうけれども。しかしロクでもないヤツに従わないと生きていかれないというのは、ほんとうによくない。そもそも、ロクでもないやつをロクでもないやつだと見なすのは、じつはけっこうむずかしいことだ。それは相手がロクでもないヤツかどうかを見定める正確な判断力が必要だから…ということでもあるけれども、それよりも何よりも、まずはこの私。この私の欲望と利害を見失わない、それをけして他人に明け渡さないこと、譲らないこと、つねにそれを前提とした生き方をしてないと、わからないことなのだ。自分が自分に対して、いいかげんに気を許したり手を抜いたりしてると、自分の根幹のそのあたりが、いつのまにか曖昧になってくるのだ。やばい。気をつけろ。