出会う

お正月にテレビでやってる駅伝大会、走ってる人は、もはや息も絶え絶え、心身共に限界ぎりぎり、いつ死んでもおかしくないくらいの状態で、気力をふり絞って最後の数百メートルを走っている。それを中継地点で待つ第二走者。朗らかな笑顔で、涼し気な表情で、時折手をふって前走者を待っている。極限状態の心身に鞭打って走る苦痛に歪んだ顔と、まだ何の苦痛もなく相手への慮りや労いを込めて走る相手を見る健やかな顔とが、じょじょに近づいてくる。こういうところに感動するのだなと思う。ことなる二つが接近することの奇跡みたいなものをそこに見てしまうのだなと。

そして唐突なようだが、たぶん暴力(戦争)にも、おそらく同質の魅力が、人をひきつけて止まない何かがあるのだろうと思う。ことなる二つが出会う感動というのはおそらくある。だからそれではない方法で出会いを見出さなければ。