会社のロッカーから、昔の写真がいっぱい出てきた。たぶん社内のウェブサイトに載せる素材だったものだ。ふつうにフィルムで撮って印画紙焼きされたもの。二十年近く前の写真だけど、それほど古い感じはあまりしない。ついこの前のことのようにも思うし、写っている人も社内の様子も、今と大して変わらないように感じられる。そこに写ってる自分を除いては。

一昔前の自分の顔というのは嫌なものだ。思わず目を背けたくなるようなものがある。昔の自分だから当然若い。その若い感じ、若さを平然と恥ずかしげもなく晒してる感じが、やけに鼻につく。こんなヤツと関わりたくないなあ…と思わせるものがある。

ちょうどこの頃だったか、当時の上司がたぶん今の僕くらいの年齢だったでは無いかと思うのだが、やはりその上司の昔の顔が写った写真を見たときに、似たようなことを思った。「今はともかく、昔のこの人なら信用しなかった」と。

若いときは、年を取った人間なんて眼中になかったけど、年を取ると、若い人間を見るのが恥ずかしくなる。若さに嫉妬してるとか、若さを失って寂しいとか、そういう要素もまったくないとは言わないが、それだけでなく、若いということを恥ずかしいものに感じてもいて、まっぴらだ、かんべんしてくれと思う。出来るだけ距離を空けたい、背を向けて視界から外したい、決して仲間に思われたくない、といった気持ちになる。