武道の子

うちの最寄り駅のそばに、武道体育の施設があるので、その建物から武道系の競技を終えた高校生とかが、ぞろぞろと駅に向かって歩いているのを見かけることが、よくあるのだけど、なかには袴姿で、長い木刀みたいなのを腰に巻いた帯に差そうとしてなかなか上手くいかず、うつむいて歩きながら、必死になって刀の位置や角度を調整しながら、やや苛立たしげな態度で駅の方角へ歩いている子もいる。もしかして明治時代も、こんなものだったのかなあ、これくらいの年頃の子が、躍起になって刃物をもって青白い顔で目的地に向かって急いでいたのかもなあ…などと思う。