彷徨う

最近、なぜか学校のような場所、あるいは集団生活状態の場所をうろうろと彷徨うような夢を見ることが多い。

誰もいないガランとした建物を彷徨っている。その建物は見慣れたよく知っている場所で、進む方向の先には何があるか、階段を上がったらどうなっているかをよく知って動き回っている。その先にはたぶん「仲間たち」というか「同じクラス」というか、そういう人達が集まっていて、僕もその中に入っていく。適当に会話を交わしもする。それは楽しくもあり懐かしくもある、いかにも夢を見ているときに特有の気分を喚起させてくれる。

しかし目覚めた後でそれを思い起こす(最近なぜか見ていた夢を思い起こせることが多い)と、さっきまで彷徨っていた世界は、自分がかつて経験した過去の記憶にはない。実際の経験から少しだけ影響を受けてはいるけど、それは自分が作り上げた架空の世界であり、「仲間たち」も言葉を交わした相手も、自分が作ったその世界の登場人物なのだ。

にもかかわらず自分はその世界をなつかしく思い、その人物と話をしたことを現実のように感じている。これはまるで、夢とデジャヴの中間のような体験ではないかと思う。