刺し盛

今の世の中、本当に人手不足なので、そのおかげでこちらも大変に忙しい。人手不足のあおりで忙しいというより、人を確保するのがなかなか上手くいかなくて忙しい。例えは悪いけど、どれだけ釣り竿を下げて釣糸を垂らしても、小魚一匹釣れなくて、むしろ魚のほうからあからさまに値踏みされてるのを感じて、ああもう釣り師はイヤだ、向いてない、むしろ魚に釣られたいよ、どの釣り針に喰いつこうか選べる立場になりたいよと、そんな愚かなことさえ考えてしまう。逃げた魚は大きい、とは思わないけど、逃げた魚の本心を考えたくはなる。どう食べられたかったのか、どう始末されたかったのか、もちろん誰もそんな風に自分を思ってないのだけど、下手に生きようとする魚でないのを、なあ、どうだろう、よかったらこんな風に料理されてみないか…と、写真付きで見せてあげるべきだろうか。これはこれで悪くないでしょ、君の小さな想像力よりは地に足ついてるでしょ、一応は料理でしょ、と説得してみるべきか。