ほうじ茶

いよいよ寒くなってきたせいもあると思うが、朝、目覚めてすぐのときと、夜の食事が終わって酒もそこそこ飲んだあとと、何かを飲むなら、温かいほうじ茶をいただくのが、とてもしっくりくる。

ほうじ茶というのは、お茶のなかでもまあ大味で香りも味わいも知れているというか、とくにどうこう言うようなものではないのだろうけど、自分にはもっとも「ぴったり」来るお茶、という感じがする。逆に緑茶は、いつまで経っても自分には難しいというか、どのように煎れてあげればいちばん美味しいのかがいまいちつかみ切れず、扱いあぐねるというか、煎れたものの味わいに満足が追いつかない。紅茶もそうだし、コーヒーもそうかもしれない。

カフェインについては、世間の人々がほとんど麻薬を求めるかのようにコーヒーを求める気持ちを、わかるようでわからないところが自分にはある。もちろん僕もコーヒーは飲む。おそらく一日一杯は飲んでる。セブンイレブンのブルーマウンテンブレンドホットRを夕方頃に飲むのがいつのまにか半習慣になってる。それはそれで、はーっと一息つくそれなりに貴重な時間なのだが、でも、そのときの自分にとって、少なくともそのコーヒーは必ずしも必需品ではないような気がする。コーヒーを心から美味しいと思ったことって、いまだかつて一度も無いんじゃないかしらとさえ思う。

それとくらべて、なにしろあの、まだ熱いほうじ茶を口にして、それが喉元から胃の腑へ落ちていくときの、あの言葉にならないような満足感は、自分にとっては今のところ、ほうじ茶からしか味わうことのできないものだ。とはいえ…仕事から一時離脱した平日夕方に、コーヒーではなくほうじ茶の方が良いか?と言われたら、それはそうでもないかも…と思う。まあ、コーヒーももっと「綺麗に澄んで」「かつ香ばしい」ちゃんとしたヤツとかを飲めば良いのだろうけど。それを言ったら緑茶もそう。なので扱い方とその結果に嗜好や拘りが混ざり合った、そういう話にあまり加わってこないほうじ茶の単独的な感じが好ましいというか、単純に自分の身体を活性させるものとして今のところそれがいちばんしっくりくる。