さらっと

十四代とか、飛露喜とか、ああいう有名で高価で人気の高い吟醸の酒を、自分はどうしても美味しいと思えない。

まあ、あの爽やか感と旨味の重なり合った、絶妙な感じが、わからないとまでは言わないけど、しかしいくらなんでもあれらの酒は、甘すぎやしないかと思う。飲んでるうちに、虫歯になるんじゃないかとさえ思う。日本酒なら、もっと安価で手の出しやすいものの方に、味わいとしてふつうに好きなものがいくらでもあるし、その手の銘柄よりもよほど美味しいと感じる。

とはいえワインも、フルボディとか濃厚な品種とか、めったに手を出さなくなったし、いよいよさっぱりした、あっさりしたものばかりを好みがちになってきたのだ、という自覚はある。(ちなみにワインの「高級酒」なら、まったく拒まむ気はない。)

しかし焼肉屋とかホルモン屋に、たまには行きたいと思うのも確かだ、もう何年も行ってない、近いうちに必ず行こう、何を差し置いてでも、すぐにでも行こう、と飲んで酔ってるときだけ、そんな話がもりあがるけど、すぐ忘れ去られる。