ライブ!! はっぴいえんど

はっぴいえんどのアルバムなら「ライブ!! はっぴいえんど」がいちばん好きで、というよりもこればかり聴くので、もしオリジナルアルバム三枚の視聴回数とくらべても「ライブ!! 」一枚だけで他とは桁が違うはず。1973年に録音されていて、翌年1月に発売とのことで、はっぴいえんどの歴史的には、すでに解散後の演奏であるとか、色々論点はあるようだが、録音状態も含めて自分としてはこれこそがはっぴいえんど。自分の大瀧詠一への関心も、じつはほとんどないというか、あまりよくしらないのだけど、このライブアルバムにおける大瀧詠一のボーカルだけはとにかく好きで、大瀧詠一ならば、この時期のこの歌い方だけを僕は愛してやまない。ダミったような、不安定なような、繊細なような、揺らぎをふくんだこの歌唱に、ものすごくソウルを感じる。あとは鈴木茂の、ちょっとフェイザーが効いたようなギター、この浮遊感のあるトーンとフレージング、そしてドラムとベース、このアンサンブルに、もっとも信頼のおける音楽的血脈の熟成した状態の香りを吸い込むことが出来るかのようで、とにかく繰り返し聴いてしまうのだ。