作者

保坂和志 小説的思考塾 vol.12 対話篇 + 山下澄人」会場のRYOZAN PARK巣鴨へ。

人として、さっぱりと気持ち良くて、まっすぐな感じ。すぐれた作り手、作者とは、たいてい皆そうだ。

作品を体験するとは、イメージを見るというよりも、作者という物質(身体)と精神による知覚そのものを、一瞬だけ譲り受けるようなことだろうか。

やはり作者とは、人間としてちゃんとしてること、人として真っ当であること、やましさのない、神様の前でも堂々と自分を示せること、それがすごく大事なのだろう…と思う。

作者とは、自分以外の者が自分の作品に触れた際の、その他者に宿る感覚をこころから信じることができる者で、才能とはひっきょうこの信じる力にこそ、宿るのではないかと思う。