子供の頃に、やたらと派手な電飾器具やギヤボックスの付いた子供用自転車が流行ったのだが、80年代あたりなら子供に限らずあの「光物」への憧れは誰もがかかえていたので、オーディオ装置のグラフィックイコライザーとか、自動車の速度表示と回転数表示とか、とにかく何かの段階を示すものが、連続する光のパターンをもって表現されていることに、強く感応した。

小さな光源の一単位をマイコン制御できること、その統御力のきめ細やかさと速さが支えた表現力の向上。それは運動が光に置き換えられることの驚きを、より強調した。それを「キレイだ」「カッコいい」と感じてしまう感覚は、液晶画面が出現する前と後とに断絶があるとしたら、もはや以前に人々の目を見張らせたあの感じを、思い出すことさえ難しいのかもしれない。