満月。しかし横浜駅のプラットホームから見上げた月は、建物のすぐ上のところに、まるで屋上に備え付けられた照明器具のように光っていて、しかもずいぶんポンボケ気味だった。ただこの時間ならば、電車に乗ろうとするこの位置から月が見えるのだなと、そちらの方が新たな発見だった。最寄り駅に着くといつも月はどこにいるのかわからない。変える時間がまちまちだからというのもあるし、意外と周囲の建物に遮られがちで、まるで見られるのを回避するかのように、容易には姿をあらわさない感がある。帰宅して、家のベランダから見たときに、方角と高さをみて、なるほど今夜はそうだったのね、と思って終わる。