携帯音楽プレイヤー今昔


Apple iPod 20GB (Click Wheel) Mac&PC [M9282J/A]


iPodを使い始めてから2年以上経つけど、それまでは、CD形式のMP3プレイヤー(RioVolt)を3年くらい使っていた。これを使い始めたときの衝撃・楽しさはほんとに格別で、何しろCD-Rの700MB近い容量内にアルバム数枚分入って、それを持ち歩けたから、音楽鑑賞の幅と奥行きが一気に広がった感じがした。とりわけ魅力だったのがランダム再生で…。って、今こんな事書いても、それ何が楽しいの?という話になってしまうが、やっぱり好きなアルバムを10枚分くらい持ち歩けて、全体のシャッフルも可能っていうのは、当時、自分の音楽体験が根本的に変わってしまうような衝撃だった。


勿論、アルバムのリッピングから、CD-Rへのライティングは自分でやるので、「明日聴く曲セレクト」を前日の夜に1時間くらい掛けてやる訳だ。(笑)…せいぜい3年前の事だが、よくあんな手間の掛かることをやってたものだ…などと思うが、あのチョイスしてる時間こそが楽しかった訳だが…。ランダム再生したときの「意外な繋ぎを期待した仕込み」とか、入念に考えて、「この並びで流れたらすごいいいな!」とか思って(笑)…だったら今そこで聴けばいいじゃん。っていう感じですが。


だから、iPodを初めて買ったときは、すごく期待していた。だって、20GBですから!今までのちまちま睡眠時間削って行っていたライティング作業からの開放。数千曲でのランダムプレイ。など、想像ではもう夢のツールと化していた。でも、いざ使ってみると、思ったほど楽しくなく、はじめてRioVoltを使ったときの興奮を超えることはなかった。


とにかく容量があるので、昔に買って、ロクに聞いてないアルバムも、つい最近買ったアルバムも、何百回と聞いたアルバムも等しく収録しておける。で、まさにいつでも再生できてしまう。…それが、予想以上に詰まらないという事を発見した。


もうちょっと前の、カセットとかCDプレーヤとかMDなんかの時代といったら、アルバム1枚とかを選んで、それを持って出掛けてしまったら、あとはその日一日、それを聴きつづける覚悟というかあきらめみたいな思いがあったものだが、それから開放されてしまって、その事が不思議なくらい物足りないという…。出てくるサウンドの有り難味が薄いっていうか。。ランダムプレイも、これだけ収録可能だとほんとうに、予想以上に、超ランダムで、ランダムにも程があろうという…なんつーか、偶然が生み出す「風情」っていうか「小憎らしい妙味」に、徹底的に欠けてるとしか云いようが無い。。まるで…有線放送みたいな感じなんですよね。


昔はカセットテープで、オートリバースのボタンをガチャンと押したらB面の曲が突然流れて、一瞬時空を越えて曲が鳴り始める感じとかそういうのに、もすごく敏感に「お!」と思ったりしてましたけどね!!・・・ってか、なんかこういう話は「昔は不便だったけどそれがよかったよねー」的なツマラン話と言えばそうなのかもしれませんが…。