やる気が感じられない


たいへんかったるい。何をしていても身が入らず、ぐったりと背もたれに身体を預けてわざとらしいため息をつくばかりだ。両手を真上に上げて、手のひらを返した状態で交差させて、ぐーっ、と伸びをして、そのまま、しばらく硬直して動かず、やがて、うわーっとあくびがでる。覇気もやる気もなしである。頭の中はモヤがかかったようにぼんやりとしており、こめかみのあたりに、妙な熱の磁場が出来ている感じ。そして、肩こりがする。おそらく、これが肩こりしている、という状態だろうと思う。僕はあまり肩こりの経験がないのだが、おそらくこれがそれだと思う。首を動かしたり背中や肩をもぞもぞと動かしたりするが、その感触に全然触れられず、まさに隔靴掻痒であることの軽い絶望感におそわれる。たぶんそういう感じを肩こりと云うのだろうと思う。とにかく、かったるいので、今は、時計の秒針が一秒ずつ動いていって、何周も何周も回り続けるのを見つめることだけを支えにして、それなりに一生懸命に、ぼんやりとしている。