中旬


あわただしく、色々と、後手後手にまわっている。あれよあれよというまに旬替わり、六月の速度が早い。冷蔵庫の中みたいに、期限切れがすぐそこまで。ビタミンを取りたいのに、グレープ・フルーツを買っても、皮を剥く時間もないという。今日はもう寝ておき、昨日よりも多く眠り、うとうとしながら、喉が塞がるほど仰け反り、頭を後ろにそらして真上を見たまま、さっぱりとした目薬を差すのは、一滴目が目の内側へ広がり、二滴目が目の真正面から満遍なく広がり、涙のように両頬が濡れて、薬液の香りが、目からしみこんで鼻の奥で広がり、それが眠りにとっては、逆効果ではなくて、鼻呼吸で暗闇を吸い込みながら、そのまま動かずに仰向けになって、落ち着いて待っている。