圧力鍋

念願の圧力鍋を入手したので、牛スジブロック肉、赤ワイン、フォンドボーの元、野菜各種など買ってきて、煮込み料理に挑む。レシピに従って材料を投入し、まるで小さなエンジン音のような、調理器具とは思えない機械的な音を立てて、圧力鍋が蒸気を吐き出し続けるのを見つめる。40分ほど経過して蓋を開けてみたら、濃厚な香りが立ち昇って、あら!こんなに上手く出来てしまうの?と驚くほど見事な出来栄えの料理が完成していた。これは…圧力鍋ってすごい。まあワイン量がやや多めだったのでブフ・ブルギニョンというよりは牛スジと野菜の赤ワインスープと言いたいような見栄えだったけれども、それでもこの完成度、各具材の加熱具合の柔らかさは凄いと思う。何年か前に全く同じ工程で普通の鍋で何時間も火にかけて、結果無残に失敗して固い肉を無理矢理ナイフで切って口に運んだことを思い出す、あの忸怩たる思いに今日終止符がうたれた。勿論やり方次第で、普通の鍋でも充分上手にできるのだろうけど、とりあえず圧力鍋の偉大さをまざまざと見せつけられた状態だ。よりによって季節はこれから夏を迎えるというのに、このまま行くと自宅で煮ものばかり食べることになるかもしれない。