雨がかすかに降っていて、そのせいで寒さはゆるい。東京駅はスーツケースをがらがらと引っ張って歩いている人がいつにも増していっぱいで、いったいなぜ今日に限ってこれほどたくさんスーツケースなのかと思ったが、よく考えたら、年の瀬の東京駅なのだからそれは当たり前。
今年はとくにこれといって、何か印象的な出来事があったとか、記憶に残るこれとか、わざわざ言うほどのこともないような一年だったかもしれないが、しかし僕としてはわりと今年のことは嫌いではない。まあまあ。じつはなかなかの、味わい深さだったかもしれない。地味で起伏もなく面白味も少ない。なにしろ、ここに書くのもそうで、いまのこの状態も、どうなのかとも思うが、まあ現実的には、こんなものだろうとも思うし、むしろそれくらいの方がしっくりくる感じもある。まあ引き続き、とくに変わらずこのままということで。