目が覚める、という夢を見た。目が覚めて、はっとしてあたりを見回すと、そこは飛行機の中で、しかもその飛行機は、たった今着陸したばかりのようで、滑走路を走りながら減速しているところだった。そのとき、あ、ついに僕は飛行機の恐怖心を克服したのだと思った。なぜなら、着陸するまで寝ていたのだから、それまでの、離陸の瞬間から飛んでいる間まで、始終何も考えずに寝ていたんだから、これはもう完全に、普通に電車やバスと同じように寝てたということで、まだ起きたばかりの、いつもの起きた直後の感じが、まったくいつもどおりなので、なんだか我ながら頼もしいような、誇らしいような気持ちだった。