朝、電車の中で目が覚めたら、さっきまでの混雑が嘘のようながら空きになっていて、寝起き顔できょろきょろしている自分を、向かいの女性が不思議そうに見ている。寝過ごして桜木町を通り過ぎたのだ。今まさに電車は次の駅へ到着するところ、だとすれば関内かと思ったが、それも違う、どうやら石川町らしい、あわてて降りる。関内まで乗り過ごしたことは数回あるが、石川町まで行ってしまったのははじめて、しかしよく似た駅だな、関内も石川町も古めかしいというか駅舎全体が昭和っぽい。高架の上に鉄骨で組んで最低限の壁を付けて、ホーム両端に階段を設置しただけみたいな、端まで歩いて階段を下りてすぐ反対の階段を上ると、なぜかわりとすぐに反対方面の根岸線が来てくれるので、結果的には十分程度のロスで桜木町まで戻ることができて、なら今度は夜にまた来ようかと思う。