文章作成術


読み手に伝わる文章を書くにはどうすれば良いか?をテーマにした勉強会みたいなのをやって、僕がテキストを元にメンバーの皆さん色々と例文と改善例を説明しなければいけなかったのだが、元になってるテキストの、改善前の例文の方がことごとく自分の書く文章に似ているような気がして我ながら苦笑。


例文

夏といえば、まず眩しい太陽と海を思い出す。海に関する一番の記憶は、30年以上前の小学校のときのことだ。父の転勤で移り住んだ沖縄の小学校では、夏の授業の一環として、水着姿のまま近くの砂浜まで海水浴に出かける。夏の日差しを浴びながら、海を目指して熱い砂浜の上を走っていくのだ。

という文章を

父の転勤で移り住んだ沖縄の小学校では、夏の授業の一環として、水着姿のまま近くの砂浜まで海水浴に出かける。夏の日差しを浴びながら、海を目指して熱い砂浜の上を走っていくのだ。もう30年以上前、小学校一年生のときの話だ。

という文章に「改善」する。


前文では「海に関する一番の記憶」という"前提"が鬱陶しいので、それをカットして、主軸になる「〜思い出す」の箇所と「〜海水浴に出かける」の箇所を前面に出すように再構成したらこうなった、というもの。これで文章として簡潔になるし、言いたいことがより相手に伝わり、共感を得られるというもの。


まあ、これはつまらない例文ではあるが、それにしてもなるほど、だとすれば自分はなるべく「共感」を得られないような文章を好むなあ、と今更のように感じてしまった。どちらかといえば最初の文章の方が好きだし。そう思いませんか?


でも、まあこれはまさに好みの問題というか、ビジネスなら端正な文章、というか小さくまとまって他意の無いもの、もっともらしく役割を担ってるものが好まれるのはよくわかるし、そうでなくて表現に関わるものであっても、文章そのものには一般的な意味での上手さや端正さが感じられるのが好みだという人もいるし、じつは僕も、そういうカッチリとした文章を読むのも好きかも。まあ、別にどっちでもいいのだけれども、仕事なので、たまにはこういうこともしないといけないという事で…。