眠り

体調が悪いので早めに帰宅して食事後、九時前に就寝、予想できたことだが真夜中に目が覚めて、眠りにつくことが出来ぬままスマホを見たり目を閉じて瞼の裏を見ていたりして、ふたたび意識を失ったのはおそらく明け方で、ほどなくしてアラーム音で目覚めたと思ったらいつもの起床時間だった。とくに睡眠不足感は感じずに起床。最近じつに眠りが浅くなった。というよりも、眠りの質が変わった。若い人たち、とくに男性の貪るような眠り方、目覚めたら昼過ぎ、十時間も眠ってしまった!とか、僕もかつては、自己嫌悪に駆られるほどそういうことばかりだったのだけれど、いつの間にか、そんな眠り方が不可能になってから、もうずいぶん経つし、夜中に何度も目が覚めて、ふたたび眠りに落ちるまでやけに時間が掛かり、その都度隣の妻と雑談したりとか、そんな感じになってしまった。性欲や食欲と同じように、眠りにも快楽的なものが含まれているのだろうけど、その成分が年々減少しているのだと思う。人によっては、とくに女性など若い頃から深く眠ることができない人はいると聞く。そういう人でも、日中ふと眠くなって、小一時間ばかり昼寝することがあって、そんなときの眠りだけはとても深くて、ほんの短時間ながらこころから満足の行く眠りに感じられるとのこと。そういえば母も昔から、ふとした合間に昼寝するのが好きな人だった。