四月の朝

朝、家を出てから駅まで歩く途中の十五分くらいのあいだに、なぜかやけに何十年も前の昔のことを思い浮かべてることが多い。何十年も前の、些細な、とりとめもない、どうでも良いようなことが、いくつも湧き上がっては消えていく。それがなぜなのか、なぜ朝のこの時間なのかはわからない。

それにしても四月は良い季節で、それまで耐えていたものを忘れてしまえるだけでも、四月が人々にもたらすものは多大だ。(花粉症を別とすれば)