この季節の、夕方を過ぎて十九時を目前にした時間の空を見上げると、毎年のように、この季節だな…と思う。空の色の、まだ光を含んで鈍く明るいところから、少しずつ青色が濃くなっていき、諧調の終端まで行き着いて暗闇へと、まるでプラネタリウムを見ているかのように移ろっていく。今日のいまこの時だけは、ベイクォーターのつまらない店のテラス席に身体をあずけて、空を見上げてるる連中だけが勝ち組だ。海と空の中間地帯に陣取ってる連中だけがこの季節の特権享受者だ。