近くのスーパーの隣の空き地をたぶんタクシー会社が借りてて、そこに自社の車を何台も駐車している。おそらく手前に並んでる車はまともに動くやつで、たまに運転手がドアやトランクを開けっぱなして中を清掃してたりもする。その奥にずらっと並べられてるのはほぼすべて事故車で、ずらっと並んだ全台どこかしら壊れていて、それが軽傷から重体までさまざまで、なかには無理矢理ガムテープか何かで車体の前半部分を包帯ミイラよろしくぐるぐる巻きにされてるのもいたりして、見ているだけでも面白いのだが、それにしてもタクシーって一社あたりの事故件数がどのくらいか知らないけど、こうして運ばれてきて並んでると、まるで野戦病院みたいだ。いや病院のように治療されるわけではないけど、でも彼らは遺体には見えなくて、誰もがまだ息のある不具者に見える。
RCサクセションの「君を呼んだのに」の詞を思い出す。「車はカバのように、つぶれていたし、街中が、崩れた、それで、君を呼んだのに」