いつものこの時期なら、空気のどこか内側の奥底に、ヒヤッとするものが混ざりはじめて、季節の変わったのが潜在的に感じ取れるようなところがあったと思うけど、今年は逆に、潜在する部分がまだ何も変わってない感じがする。ここ数日で少しは涼しくなったと言えるのかもしれないが、それも単なる表面上のことに過ぎないというか、例年にあるもっと抜本的な変化、有無を言わざぬ、そう言わざるを得ないほどの変化ほどには感じられない。夏というものの延長というか、遅延というか、節度も限度もなく、それまでの過程が際限なくだらしなく延び広がっている。夏休みが延長されたらもちろん嬉しいだろうけど、誰かが何時までだと決めてくれない、果ての見えない延長だったら子供でも少しはもやもやとするだろう。このぶんだと来月もこの調子であっても不思議はないけど、切替はどうするのか、この後どんな風に格好をつけるつもりなのか、季節の方へ問いただしたい気はする。