テレビをつけたらnew jeansのビデオがいくつか放送されていて、今更ながら自分も、これではじめてnew jeansを聴いた。まず"Attention"が、掛け値なしに素晴らしいと思った。これはたしかに、あまりにもよく出来ていて、どこも悪いところのない、自らとの距離も反感も感じず、何の留保もなく、早速聴き返したくなるような魅力に満ちている曲たちだ。それが聴いてただちにわかるわかりやすさもある。なんというか、元気だけど、憂いを含んでいて、だるくて、黄昏めいていて、それが声質とか、テンポとか、合間合間の適度に空いた隙間とか、声になる前の息の部分とかの、その気分的なもの、お酒の欠くべからざる旨味のところ、フレイバーの部分、そういう感じはそれこそ90年代とか、もっと昔から連綿と続いてるR&Bマナーで、そういうのにきわめて忠実で、そういう音楽をずっと聴いてきた人が、そのまま自らのライブラリに加えてしまえるだけのものがある。だからこそ「おじさん」に人気なのだろうと、それもよくわかる。