明日早朝からの健康診断に備えて、21:00以降は絶食・禁酒なので、あえて夕食抜きとする。会社からの帰路を辿りつつ、身体の内側へじょじょに空腹という名のぽっかりとした空洞が広がるのを感じている。

このまま明朝まで少量の水だけで過ごさねばならない。まったくなににも手を付けずに、金曜夜を丸ごと捨ててしまう、この壮大な無駄感。いつもと違うことをしている、何かへの準備に身体が乗っ取られているおぼつかなさ、そして引き続く満たされなさ、食べてないということ、やるべきことをやってないということ、満たすべきものがそのまま放置されていて、それがそのままでいいとされている説明のつかなさ、手掛かりのなさ、あらゆる方向から昇ってくる不満足という感覚が、幾度も重なり、かえってくっきりとその輪郭をあらわにする。今のじぶんが感じているのはこれだと、空腹な自分という図像が、幾度も自分宛てに届く。規定時間までじっと耐えている運動負荷が返してくるものに近い。この経験は、少し変わった酒のような心身への効き方として、たまにはいい。