レシピの有無


洗って水をきった生牡蠣に塩胡椒をふりかけてハーブミックスのパウダーをまぶして、フライパンを熱してバターを溶かして刻んだガーリックを炒めて、色が変わり香りが立ちこめて来たところにさっきの牡蠣を順々に並べていってしばらく炒め、火が通り全体の色がほんのりと変わったところでフライパンから一つずつ取り上げ、あらかじめ2センチ幅くらいに切っておいたバゲットにのせ、上からマヨネーズを盛り上げるようにかけて、パンの表面やマヨネーズの上だけほんのりと焦げたくらいになるくらいまでオーブントースターで3分ほど焼いて、出来上がったものを食べた。すると、確かにそれは大変おいしいのだが、そんな作り方で、そんな風に作って出来たものを食べたら、それは疑いようもなく旨いに決まっているとも感じられた。それが、旨くない訳がない。というのは食べる前からほぼ確定していて、実際大して想像力とかを使わなくても、子供にも誰にでもわかる事ではないか?だからこれはたしかに、実際に食べてみて旨いことは旨いけど、それを殊更騒ぐのもおかしいだろ、と言ったら、でもこのレシピがなかったら、そういう風なものを自分だけでは絶対に作れないんだから、騒ぐほどでもない、という事ではなくて、それは確かにおいしいし、騒ぐに値する事だといわれて、なるほどそうかもしれない、とも思った。