方位


帰宅途中の電車の中で、西の空を見てみろとメールが来た。金星と月と木星が一列に並んでいるそうだ。駅に着いてから上を見上げるが、周囲が明るすぎて何も見えない。とりあえずiphoneの方位計で西の方角を調べた。西ってこっちなのか!という新鮮な驚きがあった。改札を出て歩きながら上を見るが、やはり外灯とかネオンとか店の看板とかが明るすぎて星などまったく見えない。節電とかなんとか大騒ぎしてたけど、相変わらず夜は異様に明るい。それでもしばらくすると建物の谷間に比較的大きく夜空がひらけた。でも星は一つも出ていない。空が曇ってるのかなと思って、でも月はどっちだ?と思って見回したら、思ってた方向と真逆の、完全に反対の方角にいた。西ってこっちか!?という新鮮な驚きを再び感じた。念のため再度方位を調べたが、その方角がたしかに西だった。子供の頃、方位磁針を手の上に乗せると、針がゆらゆらと揺れて、それが静止するまで待つことができず、結局北だの西だのを、知ることを放棄した。方角というものが元々、そのようにゆらゆらと不安定なものだと思っていて、ある程度のところだけ誰かが決めれば良いと思っていた。方位磁針のような時間の掛かる物を全員が使う必要はないはずだと。西の空に出ていた月は、とても細い三日月だった。そしてその上、月より十センチくらい上に、明るく光る星が一個いた。金星だか木星だかわからないが、おそらくあれかと思って、しばらく見ながら歩いた。家に着いてから、見えたけど月と星一個しかいなかったと言ったら、星と月と星の三つが縦一直線に並んでいる筈だという。ああ、じゃあそれは僕の見ている時間が遅かったから、月がずいぶん下の方に下がってしまって、その下は地面の下に隠れてしまって、それで二つしか見えなかったんだよ、と言う。じゃあ明日はもっと早い時間に見た方がいい、早めなら三つ見えるし、明日の方がもっとまっすぐに縦一列になるそうだ。あと、iphoneは方位磁針とか、位置関連の情報にはとても強いのだが、iphoneには温度計がない。天気や気温はわかるが、それは気象庁やyahoo天気に載った情報に過ぎない。今ここの気温が知りたいのに、温度計が付いてない。温度計が内蔵されていれば良いと思う。あと、iphoneiphone自体を撮影できない。客観視点がなくて、自分自身を撮影できないのはかなりマイナスだ。これもなんとかして次のバージョンで実装してほしい。