最近着てなかった、十年近く前のスーツをとくに理由もなく、今朝引っ張り出して着てみて、それで会社に行った。たったの十年なのに、かたちがすごく昔っぽく感じられる。今のスーツとの違いだと、ベルト位置なんかに顕著で、締めている位置が昔と今では全然違った。当時は、もっとぴたっとした感じのシルエットだと思っていたのに、鏡で見ても昔の印象と全然違って見える。やけに大きめな、肩パットの目立つような、がさっとして見える感じ。これでも当時としてはしゅっとしたスリムな感じの、その昔ダブルとか三つボタンスーツがはやっていた頃の一般的なシルエットよりもずいぶんシャープに攻めた形状のものを、けっこうなお値段で買ったのである。でもそれでもたったの十年でここまで風化するとは。それも最近のスーツが、どれもこれもみんな異様にピタッとし過ぎているからだ。夏あたりからまた少しゆったりめも出てきましたけどね、とか言ってた人もいたけど、それでも充分に細いのだ。で、そういう昨今において、何しろこの昔のスーツを着ている自分は、何度見てもやけにおっさんくさい。すごくおっさんだ。髪の白髪が、なぜかいつもより目立って見えるのは気のせいか。わー、これだと完全におじさん。誰だこの人。。思わず無言でじーっと鏡を見てしまう。