ゴダール・トーク


かなり無理やりに仕事を放擲して、表参道へ向かう。『ゴダール原論 映画・世界・ソニマージュ』(新潮社) 刊行記念 トークイベント 佐々木敦さん × 保坂和志さん。かなり笑いの要素満載で面白かった。保坂氏が「さらば、愛の言葉よ」鑑賞時に、3Dめがねをかけたり外したりして、色がキレイだから外している方がよほど良かったという冒頭の話がいきなりものすごい。そんなことをする人がいるのか、という感じだ。酔っ払ってるならやるかもしれないけど、普通は、その発想はないなあと思った。でも確かに、3Dめがねは薄い色のサングラスをかけてしまう程度には暗くて、それだけ光をフィルタリングしてしまっているのだろうとは思う。それはよくわかる。なんでわざわざ暗くして観る必要があるのかと言われればそのとおりだ。


ゴダールは、わからない、退屈だ、苛々する、考えるだけで気が塞ぐ、みたいに思ってるくらいで、むしろちょうどいいのかもしれないとも思う。元気一杯話しあうような対象ではないという感じだ。今日のトークも、面白い話をひたすらしながら、そういうベタにゴダールへの言及はほとんどなかったというか、如何にもな感じでゴダールを語るようなことはなかった。ゴダールを「わからない」の一枚レッテルで片付けるのもつまらないけど、「じゃあ語りましょう」もやっぱりつまらなくて、そこですでに緊張感があるというか、「例外」な対象というのは、何時でも誰であっても、常に取り扱いの難しい、恐いものなのだ。


終わって21:00で、食事もまだだったけれども、翌日も平日ではさすがに寄り道する気にはならなかったので真っ直ぐ帰宅。